障害者の教育権を実現する会規約

 

私たちは、制度としての障害者分離、政策としての障害者分離が、そのまま差別以外のなにものでもないと考えます。それは教育の分野でもおなじです。そこから、すべての障害児にはその障害の種類や程度にかかわりなく学区の小・中学校に就学する権利があると考えます。と同時に、障害児一人一人の個別的な条件にもとづいて、必要な配慮と教材保障などを不可欠のこととして要求するものです。いまや、地域校での統合教育が、たんなる合言葉としていわれるだけでは不十分であって、そのなかみが具体的に保障されなければならないと考えるからです。いわゆるインクルージョンを、私たちは右のように理解します。
 
この会は、1971年春におきた大西赤人君浦高入学不当拒否事件をきっかけに、さしあたり、この不当な措置をとり消させる目的をもつ市民運動体として同年10月に発足また。私たちはこの運動過程で多くの思想的・組織的遺産を蓄積しえたといえます(会運動の第一期)。
 それはつぎに私たちが直面した、さまざまな運動課題―たとえば盲児普通学級入学問題、重度未就学児解消問題―の民主的解決にあたって大きな力になったのです(75年)。
私たちがその過程で実際に学んできたのは、権利というものは、障害のある子どもの学習権をふくめて、一般的スローガンとして掲げられただけでは不十分であること、それはかならず個別的な権利実現の問題として提起されねばならないこと、しかもそれが下から人民的に提起されるとき、本当の権利として血肉化される、ということです。
 そこから私たちは、養護学校義務化(79年)を前にして文部省による選別主義の路線に対置して、“権利としての教育”という観点から当然みちびかれる、保護者(本来的には本人)の学校選択権の思想を提起し、これをもって政府・文部省の選別主義の路線に歯止めをかけてきました(第二期)。
 それとともに私たちは、障害児をもふくむインクルージョンの中味を実質的に保障する仕事にも、個々の実践を通じて、また理論研究を通じてとりくんできたのでした。つまり第三期というわけです。
 ところで、政府・文科省は、いま戦後民主教育の憲法ともいうべき教育基本法の「見直し」を呼号しております。私たちの運動課題との関連でいえば、それは一方でエリート主義を煽るのといっしょに、他方、社会的弱者(障害者)を厄介視する方向にも至りかねない趨勢にあります。私たちは戦後の民主主義がはぐくんできた教育基本法の「見直し」には徹底的に反対して行きます。それは併せて改憲に連なる動きでもあるからです。
以下に私たちの会の最小限のとりきめを定めます。
一、   会名 この会を「障害者の教育権を実現する会」と呼称する。
一、   会員 本会の主旨に賛同し、規約を承認し、きめられた会費を納める者を会員とする。
一、事務所 会の事務所を さいたま市浦和区常盤9-10-13
             ライオンズマンション浦和区常盤204号
             (
TEL048-832-6966 FAX048-832-6966)におく。


一、    会費 会員は年度会費7000円を該当年度内に一括あるいは分割にて納入する。ただし、生活保護を受けている人、あるいは失業中の人、低額収入の人、夫婦で会員になっている人は、本人の申し出によって年度会費は3500円に減額される。
 年度会費7000円のなかには、機関紙・月刊『人権と教育』の年間購読料2200円が含まれるものとする(会費減額会員も同様)。
 会計年度は毎年1月から12月までとする。

一、活動内容
(1) 必要に応じて個別問題について教育委員会その他と交渉し、かつそれに関する懇談会などを開く。
(2) 機関紙・誌を発行する。
(3) 学習会、シンポジウム、合宿などを組織する。
(4) 課題を共有する障害者運動・市民運動と協力する。
一、組織
(1) 二年に一回の総会を開く。ただし、会員の五分の一の要求のある場合、および運営委員会でその必要を認めた場合は、臨時総会を開くことができる。
(2) この会に運営委員会をおき、総会の決定にもとづき会活動の具体化をはかる。
(3) 運営委員は、総会の総意にもとづいて若干名選出される。
(4) 運営委員会は事務局員を指名する。事務局は会の日常的な運営にあたる。
(5) 運営委員会、事務局の活動は常に会員に公開され、会員は会議に積極的に出席し、発言し、またその活動に参加できる。
(6) 会の活動を強化するために顧問若干名をおくことができる。
(7) 地域に数名の会員がいる場合は地域グループをつくり、独自の活動をすすめることができる。
一、財政 財政は会費、醵金および事業収入によってまかなう。ただし、機関紙『人権と教育』、雑誌『人権と教育』(年2回刊)の財政は独立採算制とする。
一、附則 規約は、第23回総会(2003年)において改訂されたものである。