◆特集『人権と教育』500号に寄せて                「ちがうからなかよし」   -ありのままで生きていく社会をめざして

 私の母方の祖母は言ったものだ。そう、45年くらい前。この障害者の教育権を実現する会の運動が始まったころのこと。

「みどりや、こんなこと(障害児の就学運動)をやっているとこういう子、馬鹿な子が生まれるがね」と。耳が聞こえなかったり、目が見えなかったり、口がきけなかったりする、「馬鹿な子」をおそれる祖母がいた。本気で座敷牢に入れて出してはいけない。「隔しておかないとはずかしいがね、よそ様に迷惑がかかるがね」という感覚だった。そうかといえば近所の人々は「ダウン症の子はしゃべれない」と思い込んでいたりした。この変革こそがまず、第一にわたしの始まりだった。運動の継続以外に道はなかった。「全盲、視覚障害児が普通学級で学んでいけるのか」と素朴に疑問を出し合いながら全盲児統合教育創造の討論をくりかえし、ここまできた。「ちがうからなかよし」と題して大きな交流集会を開いて教育実践も交流し合い多いに学び合った。ああ、46年前に19歳だった私が腰痛持ちの65歳、高齢者の仲間入り。認知症の人たちの施設グループホームで仕事している。

 人権とはなんぞや、そうだねえ、隣人への差別を許さないってこと。さまざま考え合ってここまできた。「インクルージョンと偏見なき精神!」なんて討論も…そして、この人権と教育の2、3面の表題に模して、問題提起を繰り返しどうにかこうにか500号まで来た。出会いと別れをくりかえしながら…野村 みどり

 

(2016年8月31日)